S21計算力学固体2級標準問題集第9版調査_問2-18(新規)

5分半で諦めました。
ネタばれ注意です(正解を書きます)。
問題文の全文引用はしません。自分で入手して読んで下さい。

問題文のポイントは、「平面問題」、「主応力」と「主応力方向」です。

最初に思いついたのは座標変換の式の事でした。式自体は覚えていませんでした。次に思いついたのは、「確か主応力は固有値を求めるんだったなあ」という事です。しかしその式の導出も無理です。

次にMohrの応力円を思いつきました。これだと朧げな知識でも何とかなりそうな気がしました。問題文を元に図2-18-1を描きました。
mohrBad

図2-18-1 解説を読む前に描いたMohrの応力円らしき物

最初に左の小さい円を描きました。横軸が垂直応力σ、縦軸が剪断応力τというのは覚えていました。σx=4とσy=2が円の直径となるように、かつ円の最も高い点のτの値がτxy=2に等しくなるようにしました。しかしどうもしっくり来ません。最大主応力σ1を一体どうやって決めるのでしょう。

今度は右の大きい円を描きました。σy=2とσx+σy=2+4=6で直径を作り、かつ円の最も高い点のτの値がτxy=2に等しくなるようにしました。やはり何だか変です。

ここで諦めました。

解説を読んだ上での考察:

解説では公式集に掲載されている平面応力状態での最大主応力を求める式に言及しています。

この公式集は「試験問題にも添付され、試験中に参照出来る」と標準問題集の付録の冒頭に書かれています。しかし、この式が公式問題集に書かれている事を覚えておく必要が有ります。公式集を見る事自体を思い付か無かったら悲しいです。

この公式が添付されていればMohrの応力円の出番は無さそうですね。

念の為、公式の代入にどれぐらいの時間が掛かるかやって見ましょう。平方根の記法が見づらいので、()1/2と表記しました。

σ1=(σx+σy)/2+(((σx-σy)/2)2+τxy2)1/2=(4+2)/2+(((4-2)/2)2+22)1/2=3+(1+4)1/2 = 3+(5)1/2

これで直ちに選択肢①が該当する事が分ります。しかし、これでは十分では有りません。

選択肢④:①~③のいずれでも無い

が有りますので、主応力方向とx軸の成す角ω1が正しいかどうかも判定しないと回答が確定しません。

ω1の回答の式を見ていると、tan2ω1とtanω1との関係式

tan(2ω1)=2tan(ω1)/(1-tan21))   (2-18-1)

を利用しています。残念ながら、この式は、公式集には掲載されておりません。暗記するか、知っている他の公式から導く必要が有ります。出来れば暗記しなくて済むといいですね。

Mohrの応力円の出番は無さそうと一旦は書きましたが、ω1をMohrの応力円で求めて見ましょう。

Mohrの応力円の描き方については、

http://jikosoft.com/cae/engineering/strmat05-2.html

を参照しました。図2-18-2に自分で描いたMohrの応力円を示します。

mohrGood_2

図2-18-2 解説を読む前に描いたMohrの応力円らしき物

σ-τ空間に(σx=4, τxy=2)と(σy=2, -τxy=-4)の2点を打ちます。それらを直線で結ぶと横軸と(σx+σy)/2で交差します。2点を結ぶ線分が直径と成ります。この直線と横軸の交差する角度が2ω1です。tan(2ω1)=(2-0)/(4-3)= 2です。tan(ω1)の正確な値を求めるのは、やはり式(2-18-1)を暗記するしか無いのかと一瞬思いますが、大体の値で良ければ、図2-18-2を見れば、tan(ω1)は凡そ0.5だと言う事が分ります。選択肢①のtan(ω1)は(2.236-1)/2=0.618。

選択肢④の可能性も相変わらず残りますが、公式を忘れてしまった時でも諦めずに正解を追い求めましょうと言う話です。

正攻法はやはり2倍角の定理を暗記する事ですね。

 

A05_ADVENTURE複合材料モデルの取り扱い方法

複合材料モデルをADVENTUREで、解析する方法について説明します。
ADVENTUREシステムでは複合材料を解析する場合、異なった材料の接合面が完全に同一であることという制約があります。
このため図1のように材料Aと材料Bの接合面形状が異なっている場合、ADVENTUREではメッシュが切れずエラーとなります。
 Bbox0
このようなモデルを解析する場合、ちょっとした工夫で解析が可能となります。
具体的なやり方としては、2つのやり方があります。
パターン1:
最初の方法は、材料Aの接合面を解析結果に支障の無い程度、出張らせる方法です(図2)。こうすることで材料Aと材料Bの接合面を完全に同一にすることが出来ます。
Bbox1
この方法のデメリットは、材料Aの接合面が少し凸形状になってしまい正確な解析ができないことです。
解析的には凸量を小さくしてゆけば、凸量の影響を小さくすることが出来るのですが、それに伴いメッシュが小さくなり消費メモリ、計算時間も増えてしまうので、適当な凸量を選択する必要があります。
なおこの手法は、境界条件を平面の一部に適用する場合も使うことが出来ます。
具体的なメッシュ生成手順は、例えば以下のようになります。matA.igsが材料AのIGES CADファイル、matB.igsが材料BのIGES CADファイルです。
> ADVENTURE_TriPatch matA matA
> ADVENTURE_TriPatch matB matB
> mrpach matA.pcm matA.pcg matB.pcm matB.pcg -o model1.pcm -g model1.pcg -v model1.wrl
> advtmesh9p model1 -d -p
> advtmesh9m model1c -p
> advtmesh9s model1c
パターン2:
2つ目の方法は、材料Aを2分割する方法です。分割は図3のように、材料Bとの接合面が同一になる立体で材料Aを材料A0と材料A1の2つに分割してしまいます。
Bbox2
こうすることで、材料A0と材料A1の接合面は同一、材料A1と材料Bの接合面は同一となり、解析可能となります。
A0とA1には同じ材料パラメータを定義することで、A材、B材の複合材料解析が可能となります。
この手法のデメリットは、解析ステップ数が増えて、解析手順が煩雑になることです。
具体的なメッシュ生成手順は、例えば以下のようになります。matA0.igs、matA1.igsが材料AのIGES CADファイル、matB.igsが材料BのIGES CADファイル。
> ADVENTURE_TriPatch matA0 matA0
> ADVENTURE_TriPatch matA1 matA1
> ADVENTURE_TriPatch matB matB
> mrpach matA0.pcm matA0.pcg matA1.pcm matA1.pcg -o tmp1.pcm -g tmp1.pcg -v tmp1.wrl
> mrpach tmp1.pcm tmp1.pcg matB.pcm matB.pcg -o model1.pcm -g model1.pcg -v model1.wrl
> advtmesh9p model1 -d -p
> advtmesh9m model1c -p
> advtmesh9s model1c