A13_ADVENTURE_Magnetic_On_Windows テスト(2)

この回では、前回のデータセットを使って解析を進めてゆきます。
解析手順はAdvMagOnWinマニュアルにも詳細な手順が記載されています。そちらも御参照ください。
3.解析
プログラムをスタートさせた後、新規解析ケースを作成します。メニューウィンドーの「ファイル(F)」→「新規解析ケース作成(N)」を選択します。
現在の解析ケースを保存するか聞いてきますが、「いいえ(N)」を選択します。解析ケースの作成ウィンドーが開き、「次へ」を選択します。
解析するジャンルは、「電磁界解析」で変更せず、「次へ」を選択します。
解析するより細かいジャンルは、「非線形静磁界解析」で変更せず、「次へ」を選択します。
モデル形状のファイルタイプは、「IGES」、「四面体1次辺要素」で変更せず、「次へ」を選択します。
3.1.メッシュ作成
3.1.1.CADモデルの選択
DataSet2.zipを適当なフォルダーに解凍します。
soft.ptn, magnet.ptn, coil.ptn, air.ptn, al.ptn, coil.dat, magnet.dat, material3.dat, magnet.igs, soft.igs, al.igs, coil.igs, air.igs, bh_curveのファイルが出来ているはずです。
メニューウィンドーの「メッシュ(M)」→「IGESファイル選択(I)」を選択します。
IGESリスト ウィンドーが開きますので、「追加」ボタンをクリックします。
ファイル読込ダイアログが表示されるので、解凍したigsファイルを5個順番に「追加」ボタンで追加し読み込んでいきます。
5個のファイルを読み込むとIGES読込ウィンドーの「OK」ボタンをクリックします。
3.1.2.節点密度の設定
次に「メッシュ(M)」→「節点密度設定(D)」を選択します。節点密度設定ウィンドーが開きます。
節点密度の指定方法は幾つかありますが、ここではptnファイルを使って設定します。
節点密度設定ウィンドーの「ファイル」ボタンをクリックし、解凍した適当なptnファイルを選択します(どの解凍ptnファイルも内容同じなので、どれでも可です)。
ファイルの読み込みに成功すれば、基本節点間隔が0.006に変更されているはずです。成功すれば「OK」ボタンをクリックし設定終了です。
3.1.3.表面パッチの作成
CADデータから表面パッチを作成します。「メッシュ(M)」→「表面パッチ作成(P)」を選択します。
表面パッチ作成ウィンドーが開くので「OK」ボタンをクリックすると、表面パッチの計算が始まります。
3.1.3.メッシュの作成
次はメッシュの作成です。「メッシュ(M)」→「メッシュ作成(M)」をクリックします。
メッシュ作成ウィンドーが開きます。ウィンドー内の「表面形状を補正する」のチェックは入れたままで、「OK」ボタンを押すとメッシュ作成が始まります。
計算はしばらく続き、完了すると総要素数、および総節点数が報告されます。筆者の場合、要素数64125、接点数92093でした。「OK」ボタンクリックします。
3.2.解析条件の設定
3.2.1.物性値の設定
Al材はLinux版 渦電流解析をテストするため定義してありますが、Windows版では未だ渦電流解析がサポートされていないので、その他領域と定義します。
air材も磁気抵抗率=795774.7の、その他領域と定義します。
magnet材は永久磁石領域と定義します。
soft材は磁性体領域と定義します。
coil材はコイル領域と定義します。
初期値は適用ボリュームID=0から4までが、磁気抵抗率=795774.7の物性ID=1に定義されています。
これを順番に追加、修正してゆきます。
どの材料が、どの適用ボリュームに設定されているかは、「メッシュ(M)」→「IGESファイル選択(I)」をクリックすることで確認できます。
筆者の場合、air.igs, al.igs, coil.igs, magnet.igs, soft.igsの順にファイルを追加したので、airはボリューム=0、alはボリューム=1、coilはボリューム=2、magnetはボリューム=3、softはボリューム=4に設定されています。
物性値は「解析(A)」→「物性値設定(M)」→「電磁界解析」を選択します。物性データの設定ウィンドーが開きます。
適用ボリュームIDは、選択したIGESファイルの順番に従って、0から4に設定されます。
物性データの設定ウィンドーの物性ID=1の行をクリックすると物性の変更ウィンドーが開きます。
まずcoil材の物性値を設定してみます。左側の「物性の種類」を「その他」から「コイル」に選択しなおします。
「コイル」の設定欄が有効になり、「コイル」の「定義方法」を「RF」から「MD」に変更します。「定義ファイル」は解凍したcoil.datを選択します。
「適用するボリューム」は、筆者の場合、coilはボリューム=2でしたので、「2」に変更します。
「OK」をクリックして物性データの設定ウィンドーに戻ります。
次に磁性体の物性値を設定します。「物性の追加」をクリックします。
物性の追加ウィンドー左側の「物性の種類」を「磁性体」を選択し、物性値の設定欄 磁気抵抗率=757.1、磁性体の定義ファイルに解凍したbh_curveファイルを選択、適用するボリューム=4と入力し「OK」をクリックします。
これで物性ID=1のコイル、ID=2の磁性体が定義されました。
さらに「物性の追加」をクリックします。
物性の追加ウィンドー左側の「物性の種類」を「永久磁石」を選択し、物性値の設定欄 磁気抵抗率=795774.7、「定義方法」を「MD」選択、「定義ファイル1」を解凍したmagnet.dat選択、適用するボリューム=4と入力し「OK」をクリックします。
さらに「物性の追加」をクリックします。
物性の追加ウィンドー左側の「物性の種類」を「その他」を選択し、物性値の設定欄 磁気抵抗率=795774.7、適用するボリューム=0,1と入力し「OK」をクリックします。
以上で領域ボリューム0から4の材料に物性ID=1から4が設定されました。「OK」をクリックします。
3.2.2.境界条件の設定
「解析(A)」→「境界条件設定(B)」を選択します。
境界条件設定ウィンドーが開き、バッチ識別分解能を角度で設定できるようになります。今回は修正せず、このまま「OK」をクリックします。
境界条件設定画面が起動します。
画面では以下のようにモデルを操作します。
*回転 : ホイールボタン(中ボタン)を押しながらマウスを動かすと、モデルが回転します。
*平行移動 : マウスの左ボタンを押しながらマウスを動かすと、モデルが平行移動します。
*ズーム : 右ボタンを押しながらマウスを上に動かすとズームアウト、下に動かすとズームインします。
*節点の選択 : マウスで希望の節点をクリックすると、節点を選択できます。選んだ節点には(ちょっと見にくいですが)黒い四角が表示されます。
*面の選択 : 節点を選択した状態で右クリッすると、節点が所属する面を選択できます。右クリックを続けると、次の面が選択状態になります。
今回の解析では、初期画面の全面にベクトルポテンシャル法線方向ベクトルポテンシャル成分を0に定義します。
上面に属する節点・面を選択します。下図のようになってるはずです。
境界条件設定ウィンドーの「BC」→「BC(Magnetic)」→「Add Magnetic Vector Potentia」を選択します。
「Normal」にチェックを入れ「OK」をクリックします。
同じくした他の面も節点・面を選択、ベクトルポテンシャル「Normal」を選択します。
境界条件の設定が終了したら、境界条件を確認してみます。境界条件設定ウィンドー「View」→「Boundary Condition」→「Cnd format」を選択すると確認できます。
確認ウィンドー「OK」をクリックします。
境界条件設定ウィンドー「File」→「Quit」をクリックすると確認ウィンドーが表示されますので、「OK」をクリックすると、条件が自動保存され設定が終わります。
3.2.3.ソルバー入力ファイル作成
続いて、「解析(A)」→「ソルバー入力ファイル作成(C)」を選択し、入力ファイル作成ウィンドー「OK」をクリックし、作成を行います。
3.3.解析実行
3.3.1.領域分割
領域分割の詳細説明については、マニュアルをご参照ください。
「解析(A)」→「領域分割(D)」を選択すると、領域分割ウィンドーが開きます。
初期条件から変更せずに「OK」をクリックします。
3.3.3.ソルバーの実行
解析計算を始めます。「解析(A)」→「ソルバー実行(R)」を選択すると、ソルバー実行ウィンドーが開きます。
ソルバー実行オプションの詳細については、マニュアルを参照ください。
今回は初期条件から変更なしに、実行してみます。
「スタート」をクリックすると計算が始まります。
計算中は、どのような計算状態にあるのかわからないため若干不安になりますが、じっと待ちます。
約10分ほどで計算終了します。
3.4.解析データの書き出し
解析結果は、AVS、ParaView、Meshman_ParticleViewer_HPCといった可視化ソフトウェアでチェックすることができます。
まず解析結果をParaView可視化データファイルに書き出してみます。
「解析(A)」→「解析結果のエクスポート」を選択すると、解析結果のエクスポートウィンドーが開きます。
出力する物理量として「磁束密度」、「電磁力」、出力形式として「VTK形式(ParaViewなど)」にチェックを入れます。
出力フォルダを指定して「OK」をクリックします。
3.5.AdvMagWinの終了
これでAdvMagWinの操作は終了です。
「ファイル(F)」→「解析ケースの保存(S)」で解析ケースを保存することが出来ます。後日解析条件などを変えて、再実行する場合便利です。
「ファイル(F)」→「終了(X)」で終わります。
次回は、解析データを可視化ソフトで見てゆくことにします。