A04_ADVENTURE Magnetic 大規模計算

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今回は、ADVENTURE Magneticによる大規模 非線形磁場解析、および非定常磁場解析の紹介を行います。
モデルは6極36スロットIPM(Interior Permanent Magnet Syncronous Motor)モーターのフルモデルです。
通常このようなIPMモーターはモデルの対称性を生かして、1/2 ~ 1/12モデルを自然境界条件で計算するのが得策です。
しかし今回の計算の目的が、大規模モデル計算の検証であるので、あえてフルモデルで計算を行っています。
実用的にも、回転軸の偏心、あるいは傾きの影響を考慮しようとすると、必然的にフルモデルでの計算が必要となります。
IPM4
上図が解析CADモデルの外観です。コイル電流は、隣り合ったコイル同士に120°位相をずらせたsin波3相電流を定義しています。
ローターは固定ですが、各コイルに時間依存sin波を定義し非定常磁場解析を行っています。
計算はローターのBH曲線を考慮した非線形磁場解析、および非定常磁場解析を其々行いました。
使用環境はHP Z800 6コア×2CPU (=12コア)、96GBメモリ、Open SUSE、Open MPIによる11コア並列計算です。
解析モデルのメッシュ要素数は約650万、接点数は約865万、自由度は約240万です。
ローターBH曲線を考慮した非線形計算ではメモリ84.7GBを使い、計算時間3531秒(約1時間)で計算終了しました。
非定常計算ではsin波電流を2π/20に分割し、20ステップ計算させました。
この時のメモリ使用量は43.1GB、計算時間6467秒(約1時間50分)で計算終了しました。
図2は非定常計算による磁場強度の時間変化を動画表示させています。
非定常計算が出来ていることが確認できます。
このようにADVENTURE Magneticでは、大規模なモデルでも実用的な速度で計算できることがわかります。
また計算オプションも、静磁場非線形計算、非定常計算、渦電流計算と多彩です。
次回は、熱伝導解析の紹介を予定しています。

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