S46計算力学固体2級標準問題集第9版調査_問10-34(新規)

2分掛かりました。

ネタばれ注意です(正解を書きます)。
問題文の全文引用はしません。自分で入手して読んで下さい。

問題文のテーマは「ひずみ・応力の出力」です。ポイントは、「ひずみと応力の出力」、「節点における値の出力」、「要素における値の出力」及び「誤っているもの」です。

「誤っているもの」を選択するという事は、「正しい選択肢が3個有る」という事です。

全ての選択肢は似通っていないようです。読むのに時間が掛かりそうですが、兎に角読みます。

選択肢①の要点は「節点値を用いたコンタ図は滑らかに補間される、一方要素におけるコンタ図では、要素が単色で塗られて要素間で不連続になるが間違いではない」です。前半も後半も間違った事は書かれてません。正しいと判断します。

選択肢②の要点は、「異材継手の界面でひずみや応力は成分次第では不連続となるので、要素での値を元にコンタ図を描くと不連続な状態を表現できる。逆に節点値を用いたコンタ図を描くと界面での値が不正確になる。」です。

応力とひずみは、本来要素の種類によって要素でひとつの値を持つ(定歪要素)もしくは要素内部の積分点上で評価(二次以上の高次要素)されます。節点上の応力やひずみは元々存在し無いので、節点値は要素の値もしくは積分点での値を元に何らかの方法で近似値を計算します。例えばその節点が所属する複数の要素での(最も節点に近い積分点の)値の単純平均を取ります。当然の事ながら、異材界面上の節点であれば、複数の材料の応力の平均を取る為、界面での本来の不連続な値の変化を表現する事が出来ません。選択肢②の最後の文はこの事を指してます。よって選択肢②も正しいです。

選択肢③の要点は「異材継手の界面でひずみや応力は成分次第では不連続となるので、界面に対する法線上に節点群を配置するような特殊な要素分割を行い、その法線に沿った節点応力をプロットする(但し界面上の節点を除く)界面近傍の応力を評価した」です。節点応力の欠点を知った上で対策をしているので、これは正しいと思います。

選択肢④の要点は「積層板の曲げ解析において積層界面での剪断応力を評価したいが、要素値では剪断成分が評価できない為、節点値で界面剪断応力を評価した」です。解説を読む前はこの選択肢の何が間違っているのか上手く説明出来ませんでしたが、何かおかしいと感じた為、誤りとしました。勿論他の選択肢との相対比較で、他は正しい感じがするというのも理由です。

全部を総合して選択肢④を解答とします。

解説を読んだ上での考察:

選択肢③で解説では、「あらかじめ要素分割を制御して行っておけば、応力分布を容易にかつ正確にグラフに描く事が出来」と書いて有りますが、こんな特殊な要素分割が「容易」とはとても思えませんし、「正確に」についてもしょせん節点値は要素値又は積分点値の平均から求められるので、「正確」という言葉には抵抗が有ります。

選択肢④については、「剪断応力のみが特殊では無い」という説明で上手く説明出来ないモヤモヤがすっきりしました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です