S22計算力学固体2級標準問題集第9版調査_問2-19(新規)

11分掛かりました。
ネタばれ注意です(正解を書きます)。
問題文の全文引用はしません。自分で入手して読んで下さい。

問題文のポイントは、「主応力」と「正しいものはどれか」です。

3次元の主応力の公式は公式集に掲載されているだろうと思い、直ぐに探しに行きました。有りました。2.3.3の主応力の式に既知の応力成分を代入して行きます。

3+(σxyz2-(σyσzzσxxσyxy2yz2zx2)σ+σxσyσzxτyz2yτzx2zτxy2+2τxyτyzτzx=0  (2.3.3)

与えられた数値を代入します。

3+(0+0+0)σ2-(0+0+0-1-1-1)σ+0-0-0-0+2x1x1x1=0

3+3σ+2=0

σ3-3σ-2=0   (2-19-1)

因数分解したい所ですが、思い付きません。

考え方を変えて、選択肢①からσに代入して行きます。

先ずは選択肢①のσ1=3

33-3×3-2=27-9-2=16≠0

駄目です。

選択肢②のσ1=2

23-3×2-2=8-6-2=0

これは解です。

同じくσ23=-1も確認します。

(-1)3-3x(-1)-2=-1+3-2=0

こちらも解です。

よって②が正解。三次式の場合、解は高々3個なので、他の選択肢は確認不要です。

解説を読んだ上での考察:

解説ではあっさり因数分解してます。3次式の因数分解ってどうやってやるんだろうと思いました。

ネットで検索したら、「因数定理」という物が有るようです。その昔勉強したんでしょうね。因数分解がさっと出来れば、全部の選択肢を試さなくても良い分、私の計算方法より若干早そうです。

因数定理をネットで調べて見ました。以下に分り易い説明が有ります。

http://www7a.biglobe.ne.jp/~mkun/Mathematics/factor.htm

ポイントは、xの多項式 f(x)に対して、f(a)=0 を満たすaが存在すればf(x)は(x-a)を因数に持つ。更にaの候補は定数項の約数である。

今式(2-19-1)に於いて定数項は、-2ですから、1,2,-1,-2が候補です。選択肢②で示したように、2を代入すると式が零になりますから、(σ-2)の因数が有ります。

(2-19-1)の左辺を変形して、無理やり(σ-2)を作ります。

σ3-3σ-2 = (σ-2)σ2+2σ2-3σ-2= (σ-2)σ2+2σ2-4σ+σ-2=(σ-2)σ2+2σ(σ-2)+(σ-2)=(σ-2)(σ2+2σ+1)

此処迄来れば、後は簡単な2次式の因数分解だけです。

(σ-2)(σ2+2σ+1)=(σ-2)(σ+1)2=0   (2-19-2)

本当に速いかどうかは微妙ですが、純粋な暗記に頼らない色んな手法を知っておく事は大事です。