S23計算力学固体2級標準問題集第9版調査_問2-27(新規)

7分掛かりました。
ネタばれ注意です(正解を書きます)。
問題文の全文引用はしません。自分で入手して読んで下さい。

問題文のポイントは、「フリーボディダイアグラム」と「仮想的に切断し」です。

問題文では明示されてませんが、「釣り合い」が大事な概念です。二次元ですから、鉛直方向、水平方向及び回転の3つの釣り合いが満足されます。又、「釣り合いは着目した物体について考える」事が肝要です。今回「着目した物体」は支点であり、大きさを持たない(下で訂正しているので注意)ので、回転の釣り合いを考慮する必要は有りません。従って導ける式は2つです。

先ず鉛直方向の釣り合いを考えます。問題文の図には30°と60°と書いて有りますが、どうみても30°と60°では有りませんね。どこに書いて有ったか忘れましたが、図はなるべく寸法に中実に描く事という教訓が有りましたね。この問題は謂わば、誤解させたくてわざと、角度を不正確に描いていると思います。

手早く式を書くには、三角関数を一旦書いたりしない方が良いと思います。兎に角図を描きます。先ずはS1の鉛直成分を考えます。天井に向かって正とします。30°ですから、図2-27-1のように描きます。

2-27_S1_Vertical

図2-27-1 S1の鉛直成分

従ってS1の係数は1/2。次にS2の成分を図2-27-2に示します。

2-27S2_Vertical

図2-27-2 S1の鉛直成分

従ってS2の係数は、(3)1/2/2。Pは鉛直下向きですので、その係数は-1となります。釣り合い式は全部を足して零ですから、

(1/2)S1+((3)1/2/2)S2-P=0   (2-27-1)

偶々ですが、鉛直成分を先に考えた為、選択肢は④一つに絞られました。回答は④です。

でも一応水平成分も考えておきましょう。水平は右向きを正とします。先ずはS1の水平成分を考えます。図2-27-1を使って考えましょう。係数は-(3)1/2/2ですね。次にS2の成分を図2-27-2を使って考えます。係数は1/2ですね。Pは水平成分は零ですので、項としては現れません。従って釣り合い式は、

-((3)1/2/2)S1+(1/2)S2=0   (2-27-2)

この式は選択肢④の式ですので、回答は④で間違いありません。

解説を読んだ上での考察:

私の勘違いが有りました。上で、

「今回「着目した物体」は支点であり、大きさを持たないので、回転の釣り合いを考慮する必要は有りません。」

と書きましたが、問題に示された図を見ると、仮想切断線は支点から離れていますので、「着目した物体」は、支点から仮想切断線迄の部材を含んでいます。従って大きさを持ちます。

解説に示されているように「ピン結合されているのでモーメントは生じない為、力のモーメントの釣合い式は不要である。」と理解すべきですね。

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