A03_ADVENTURE の 単位系

Hideです。
今回は単位についての説明をします。
一部のADVENTURE ソルバーモジュールを除いて(例 : ADVENTURE Magnetic)、ADVENTURE では単位換算機能がありません。
このため単位はユーザーの責任で、解析モジュール内で自己矛盾が起きないように管理、考慮する必要があります。
単位無しという考え方は、慣れてしまうと状況に応じて自由に単位を選択できるというメリットが生まれる反面、最初はどのように単位を選択すれば良いのか面食らうことになります。
ADVENTUREでは、プロジェクト内で矛盾が起きなければ、どのような単位であろうとも受け入れられます。
日本ではCADモデルをインチ単位で作成されることは、あまりないと思いますがインチ単位での入力も、もちろん可能です。
表は各単位系での換算表です。単位は状況、ユーザーの利便に応じて適当に選択すれば良いのです。

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例えば応力解析の場合、mm単位データを使うことが良くあります。
mm単位を採用する一番目のメリットは比較的小さい物を解析する場合、mm単位で表示するほうが直感的に判りやすい、ということが挙げられます。
例えばコインをデータ化する場合、m単位よりもmm単位の方が分かりやすくなります。
2番目のメリットは、mm単位系でデータ入力すると応力はMPaで出力されます。
応力を表示する場合、MPaで表現されることが多く、単位の換算が不要になり簡便です。

次回は ADVENTURE Magneticを使った、IPMモーターの非定常磁場解析結果の紹介を予定しています。

A02_ADVENTURE_Solid 大規模応力解析(1)

今回はADVENTURE_Solidを使った大規模応力解析例を紹介します。
計算の目的は、一般的に売られているWork Station一台で、どれ位の規模の計算が可能か検証することです。
用意したのは、HP Z800 2CPU (計12コア)96GBメモリ搭載Work Stationです。
Work Stationでは、ハイエンドの部類になります。
OSは64bit OpenSUSEにOpenMPIを組み込み、並列計算を可能としています。
結果表示はParaViewです。
解析モデルは、ADVENTURE プロジェクト HPからダウンロード可能なPantheon宮殿CADモデルを使いました。
データはcm単位で作られており、建造物の実高さは約44m、宮殿外径は約54mほどもある、りっぱな大型建造物です。
このデータをBaseDistance = 26.0でメッシュ作成すると、要素数10,436,350、接点数14,829,907、4449万自由度のメッシュデータが出来上がります。
このメッシュデータで、建造物自重による静弾性解析を行います。
12コアのOpenMPI並列計算で、以下のような状況で計算完了しました。
使用メモリ : 96GBメモリをOS込みで、ほぼ使いきっています。
計算時間  : 10374秒 (SolidによるFEM計算時間)。約54時間です。
以下が計算された結果のParaView表示になります。
Clipboard01
計算は何ら不安気なく終了しWork Station、ADVENTURE_Solidの頑丈さが実感できました。
4000万自由度規模のFEM計算は、十数年前まではメインフレーム、スーパーコンピューターでしか達成できなかった計算であり、技術の進歩にも驚かされます。
もう一点注目いただきたいことは、CADソフト、データーコンバーター以外は、全てフリープログラムで構成されていることです。
ここまで出来ると、ADVENTUREソフトを、ただの教育用ソフトと捉えるには勿体なさすぎます。
なおPantheonモデルを使った大規模計算は、動解析なども行っており、順次紹介してゆきたいと思います。
次回はADVENTUREで採用されている無単位系について、説明します。

A01_ADVENTUREの長所と短所

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